最近はご遺骨をお墓に埋葬せずに海や山などへ撒く「散骨」を行う方が増えてます。
背景には、墓地が数少ない、墓地の費用が高い、お墓を守る後継者がいない等の供養に対する問題点で悩む家族が急増し、お墓が維持できなくなったり、承継が困難になってきているのが現状のようです。
また、コロナにより家族葬など増え、形式や慣習にとらわれない人が増え、家墓への意識が低下してきていたり「自然に還りたい」と望む方が多くなってきていると思われます。
散骨の歴史
散骨の歴史は古く、インドで始まったと考えられています。
インドでは、今でもガンジス川に遺灰を流して祈りを捧げる風習が残っています。
日本では、奈良時代にはすでに散骨が行われていたようです。
万葉集にも散骨についての歌が残っていることもあり、日本では古くから行われていたと考えられます。
平安時代には、淳和天皇が自身の散骨を近臣に命じ、京都府京都市にある大原野の西山山頂で散骨されたとされています。
これは、当時の皇族や貴族の間で、お墓への埋葬が一般的となった時期であり、散骨は庶民に残された供養の形であったと考えられます。
江戸時代には、寺院の境内や海に散骨する風習が広まりました。
また、海外では、古代ギリシャやローマでも散骨が行われていたことが知られています。
散骨種類
海洋散骨
海に遺骨を撒く方法です。日本では、沖縄や北海道などの離島や、東京湾や瀬戸内海などの沿岸部で行われることが多くなっています。
陸上散骨
山や川、湖などの陸上に遺骨を撒く方法です。日本では、自然豊かな場所や、故人が生前愛した場所で行われることが多くなっています。
散骨を行う注意点
- 遺骨の状態で散骨できない場所がある
- 粉骨されていない遺骨は、散骨できない場所があります。
- 陸上散骨を行う場合は、遺骨が他人の土地に落ちないように注意する必要があります。
散骨の際には、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
散骨は法律的に大丈夫なの
散骨は、遺骨を埋葬する行為に該当するため、墓地埋葬法の規制を受けることになります。
墓地埋葬法では、散骨は「海洋散骨は海岸線から2km以上離れた海域で行う」「陸上散骨は森林法や国有林野の保安に関する法律などの関係法令に違反しない場所で行う」などの条件が定められています。
具体的には、海洋散骨を行う場合は、海岸法に基づく「海洋散骨許可」を取得する必要があります。
陸上散骨を行う場合は、森林法や国有林野の保安に関する法律などの関係法令に基づく許可を取得する必要があります。
なお、散骨は、墓地埋葬法で禁止されているわけではありません。
しかし、散骨を行う際には、法律や条例などの規制を遵守する必要があります。
散骨業者の選び方
散骨業者は、散骨の場所や方法などについて、十分な知識と経験を持っていることが重要です。
散骨業者を選ぶ際には、実績や口コミなどを参考にして、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
散骨の費用
散骨の費用は、業者や散骨場所によって大きく異なります。
散骨の費用を把握した上で、予算に合った業者や散骨場所を選ぶようにしましょう。
散骨の流れ
- 散骨業者を選ぶ
- 散骨の場所を決める
- 散骨の許可を取得する
- 散骨を行う
散骨は、故人と自然と一体となることができる、新しい供養の形です。
散骨を行う際には、法律や条例などの規制を遵守し、安全に配慮して行いましょう。
散骨を行う上での確認事項
故人の遺志
故人が散骨を希望していたかどうかを、家族、親族で話し合って確認しましょう。
家族、親族の意見
散骨の種類や場所など、家族、親族の意見を尊重して決定しましょう。
故人の希望でも親族の反対など、事前に確認しましょう。
全部散骨か一部散骨かを考える
全骨散骨すると手元に遺骨が残らないので、分骨して手元供養を行う方もいらっしゃいます。
また、遺骨の一部をアクセサリーなどにして、形見としてとっておく方もいらっしゃいます。
法律や条例
散骨を行う際には、法律や条例などの規制を遵守する必要があります。
散骨を行う前に、必ず確認しましょう。
散骨は、故人と自然と一体となることができる、新しい供養の形です。
散骨を行う際には、事前に確認事項を把握し、安全に配慮して行いましょう。
散骨のメリット
- 墓石や墓地の維持費がかからない
散骨は、墓石や墓地を必要としません。
そのため、墓石や墓地の維持費がかかりません。
お墓の維持費は、年間数万円から数十万円かかります。
散骨であれば、その費用を抑えることができます。 - 故人の遺志や家族の希望を尊重できる
散骨は、場所や方法を選ぶことができるため、故人やご家族の思いを形にすることができます。
故人が散骨を希望していた場合、その希望を叶えてあげることができます。 - 故人と自然と一体となることができる
海洋散骨や、山や川などの自然豊かな場所での陸上散骨は、故人と自然と一体となることができます。
自然を愛していた故人の場合、海や山に散骨することで、故人と自然がつながるような感覚を得ることができます。
散骨のデメリット
- 散骨をするとお墓参りや献花をする「場所」がなくなります。
故人に対しての弔い方法として「場所」や「焼香」などを必要とする人もいらっしゃいます。 - 遺骨が漂流する可能性がある。
海洋散骨では、遺骨が漂流する可能性があります。 - 遺骨が他人の土地に落ちてしまう可能性がある。
陸上散骨では、遺骨が他人の土地に落ちてしまう可能性があります。 - 周囲への配慮が必要。
散骨の際には、周囲への配慮が必要です。
まとめ
散骨は、1991年、法務省が「節度を持って行えば違法ではない」との見解を示しました。
散骨は合法で違法ではないという風にとらえることができます。
ただし、地域によっては、条例で禁止しているところもあるので、事前に調べておく必要があります。
自然を愛していた故人の場合、海や山に散骨することで、故人と自然がつながるような感覚を得ることができます。
少子化が進む今、墓守をする継承者不足を懸念して「私が死んだら散骨してね」と遺言を残す高齢者が増えているのは、お墓問題で遺族に負担をかけたくない思いやりから散骨を選ばれる方も増えてます。
最近では、様々な理由から散骨を選ばれる方も増えています、埋葬方法の一つとして是非、検討してみてはいかがでしょうか。
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